Mind

なぜ、感じのいい人ほど、うまく話せないのか。

意外に思われるかもしれませんが、感じのいい人ほど「私って口下手だから」という意識をもっています。感じのいい人とは、無意識の気遣いと自然な心配りを持ち合わせている人です。なので、オフィスだけでなく、プライベートでも人に好かれます。いつも周りに人が集まっているので、ひょっとすると周囲から「なんか、あの 人ばっかりチヤホヤされてない?」と嫉妬されてるかもしれません。それくらい人に好かれる感じのいい人ほど、「うまく話せない」という思いを抱いています。

 

ところで、「うまく話せない」と聞いて、まず最初に思い浮かべるのは「滑舌」や「発声」の良し悪しではないでしょうか? 例えば、会話の中で「噛む」ことが多かったり、声が小さいことで「え、何て言ったの?」と、相手に聞き返されてしまいます。そのことが頻繁になると、どうしたって話すことに自信がなくなってしまいます。こんなときに「うまく話せない」という思いを抱えます。

 

ですが、このような場合の改善方法はすぐにみつかります。それは「うまく話せない」理由が「噛む」や「声が小さい」ことだけが原因なので、「滑舌」や「発声」など「話すためのスキル」を補ってあげればいいだけなのです。しかも「スキル」なのですから、レッスンすることで習得はできるのです。

 

だからといって「うまく話せない」と感じているすべての人が、話すスキルが追いついていないわけではありません。見落としがちなのですが、それは「話すスキル」とは全く違うところに、もう一つのうまく話せない理由が潜んでいるのです。そして悔しいことに、この理由に私は長い間、気づけないでいました。

 

それまでの私は、うまく話せないんだったら「滑舌を練習しましょう」とか「声を大きく出しましょう」と言っては、ただ同じようなレッスンをしていました。疑うことなく「話すスキル」さえプラッシュアップすれば、誰もが「うまく話せるようになれる」と本気で信じていたからです。

 

でも、それは違いました。

 

では、うまく話せないでいるもう一つの理由は、いったい何だと思いますか?
ここで一緒に考えていきましょう。ヒントは冒頭に登場した 「感じのいい人」です。そこから想像してみて下さい。なるほど、真面目だからユーモアがなくって、いつも場を盛り下げてしまいそうですか?。いいえ、そんなことはありません。ですが、もしユーモアが原因だとしたら、笑いのセンスを身につることをオススメします。たとえば落語を聞いたりして、クスッと笑える技を盗み、自分の会話でも使ってみるっていうのもいいですね。

 

それとも、「相槌の達人」になっていることでしょうか?いつも感じよく相手の話を聞いていて、聞き役に徹していることでしょうか?。それもツラいですよね、でも違います。しかしこのような場合は、話し方をレッスンする前に、一緒にいる人を見直すことを、おススメします。どれほど話が面白くっても、自分のことしか話さない人と一緒にいたって、会話を楽しむことはできません。

 

では、見落としがちな「うまく話せない」もう一つの理由とは
いったい何でしょうか? それは、

 

「優しさ」です。

 

わかりにくいので、詳しく説明しますね。感じのいい人は、自分のことより相手を優先にする「優しさ」をもっています。しかも無意識に相手を優先にしてしまうので、自分では自分のことが後回しになってしまっていることに意識できません。もし、相手とは違う自分の意見があったとしても、伝えた経験が少ないので、押し出すことに慣れていません。すると益々「自分のことを言いだせない」でいてしまうのです。このように、無意識にできてしまう気遣いや、心配りなど、相手への優しさが「うまく話せなく」させてしまうのです。

 

だとしたら「優しい人」は、この先もずっと話せないままなのでしょうか?いいえ、決してそんなことはありません。その答えは間違いなく「NO」です。では、どうすれば「優しい人」でも「うまく話せた」と思えるようになるのでしょうか?それは、レッスンより先に「理解」することが必要です。それは、幼い頃から育つ中で、自然に身につけていった、「習慣」の中にあるからです。その「習慣」については、次回のブログ「優しさ」の半分は、習慣でできている。につづきます