〜 「話し方」はスタバで学べる 〜
「そうだ、話し方を学ぼう!」
レッスンを受講頂いた方たちに、そう感じた “きっかけ” をお伺いすると、「人前でうまく話せなかった」という体験が最も多い回答でした。
人前というシーンは様々ですが
・「会議で手をあげて発言できなかった」
・「朝礼で堂々と話せなかった」
・「就職面接で緊張して言葉が出なくなった」 など
ビジネスシーンでの残念エピソードがきっかけになっているようです。
みなさんにも似たような経験はありますよね。
なぜ「うまく話せない」のでしょうか?
原因は大きく分けて “二つ” あると考えています。
一つ目の原因は「滑舌」や「発声」といった “話すためのスキル” が不足していること。
実は、この「スキル」。おそらく、みなさんが思っているよりも簡単に改善することができます。
たとえば「滑舌」は子音をはっきり音にすることなど、セルフトレーニングだけでも大幅に改善されていきます。「滑舌」の改善は「信頼」や「真実味」など相手に与える印象を上げる効果も期待できるので一石二鳥ですね。
効果がすぐに表れてくると嬉しさも感じやすいですよね。
二つ目の原因は “心理的不安“です。
これがやっかいもので、スキルやテクニックを磨く時のようには”セルフトレーニング” ができないのです。そしてトレーニングには”相手”が必要なのです。
「心理的不安」というのは、最初の方たちに答えてもらった “ビジネスシーン” を想像してもらうと分かりやすいと思います。
例えば、大人数の前での発表など「人数の大小」に関する不安。
他にも上下関係、いわゆる上司部下という関係性も不安を感じる要素だったりします。
上下関係は”立場” という観点からも
「間違えてはいけない」「恥をかきたくない」「私が出来ていないのに(部下に)言ってもいいの?」
といった心理的不安 が膨らんでしまいがちです。
そんな「心理的不安」を膨らませてしまうタイプの方ほど、控えめな性格であることが多く、
控え目な性格の人ほど胸中は忙しく、普段からでも複雑な思いが右往左往しているものです。
かく言う私も「控えめな性格」で会社ではあまり自分の意見を言えずにいたので、その気持ちは痛いほど分かります。
そんな私でも現在は、講師として人前で話すまでになれました。
いくつかの克服策があるのですが、そのコツをコッソリ教えますね。
ポイントは「身近に出会う人との コミュニケーション = 会話 を増やす」ことです。
まずは友人や家族などから始めていきましょう。身近な人との会話は「間違える」ことがあっても「恥をかく」ことがあっても、ビジネスシーンに比べればへっちゃらですよね?
そして普段何も考えなかった “会話をする” という行為を意識すること。そしてその頻度をあげることで、改めて「会話は楽しいんだ」ということを自分自身に理解させることが重要です。
次のステップが私の一番のおススメなのですが、
それは「スターバックスに行ってみること」です。
近所のスタバでも、旅行先でのスタバでも、コーヒーを注文するときに、店員さんが話しかけてくれます。
「雨が降り出しそうですね」「お持ちの傘、めずらしい色ですね。」など
他愛もない、ごく日常の会話をポンっと投げてくれます。
これはチャンス到来です。
ここは店員さんの胸を借りて
「そうですね、天気予報当たっちゃいましたね」「この傘、誕生日にもらったんですよ」など
会話をつなげて広げていくのです。
そんな会話の一往復だけでも “じわんっ” と心が温かくなり、心理的不安は和らげることができます。
これに慣れていくことが自然と “人前でうまく話す”レッスンになっているのです。
お店では店員さんに「ホットコーヒー」を頼んだから「ホットコーヒー」が渡されます。「トールサイズ」と伝えたので、「トールサイズ」のコーヒーが渡されます。こんな当たり前のことが「話す」ということのすべてだと考えています。
自分が「温かいコーヒー」を飲みたいから「ホットコーヒー」を注文して、相手はあなたがホットのコーヒーを飲みたいのだと受け取る。自分の思ったことや考えたことを他人に「伝えた」ことで相手がそれを「理解」する。これが「伝わる」というです。
大勢の人の前でスピーチすることも、コーヒーを注文することも「人前で話す」という点においては同じなのです。
それでも誰だって緊張はしますよね。
「突然」本番が来るから緊張してしまうんです。それならば来るべき「本番」に向けて、今すぐ始められる日常のシーンからレッスンしておくことで「本番が待ち遠しい」くらいに慣れてしまいましょ。