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伝えることで「自己肯定感」があがるということ。断ることの大切さ

私は以前、あるカード会社に勤務していました。退職をするまでの20年の間に、あわせて5回ほど人事異動を経験してきたのですが、どの部署にも「要領のいい人」がいました。もちろん仕事なのですから、必要なスキルだとは思います。ですが、それには程度があります。たとえば自分が上司に依頼された仕事なのに、「ごめん、頼んでいい?」と言っては、別の人に仕事を振ってしまうのです。そんな時はいつも決まって、「いいですよ」と感じよく業務を引き受けてくれる「いい人」です。

だからといって、仕事を引き受けた「いい人」が、周りに好感をもたれたしとても、上司から評価されることはないのです。しかも、仕事を頼んできた「要領のいい人」ですら、どこか当たり前のように思っているのです。

 

もし、このような場面にあなたがいたら、いったいどのような行動に出ますか?。たとえば、いつも仕事を引き受けてしまう人に向かって「ハッキリ断ればいいじゃない」と声をかるかもかもしれません。たとえ何も言わないにしても「断らない方が悪いよね」と、どこか批判的な思いを抱いても不思議ではありません。しかし、どれほど自分が損することがわかっていても、「いい人」は断ることは、できないのです。

 

それには二つの理由があります。まず一つ目は、誰かに何かを頼まれて「NO」をだすことがないので、「断る」という経験が、圧倒的に少ないないのです。しかも、どう切り出していいのかイメージすらできず、現実でも言えないでいるのです。二つ目はメンタルの問題です。もし断ってしまったら、頼んできた人との関係が悪くなるのでは?と心配してしまうのです。もしそうなってしまったら、職場での自分の居心地が悪くなってしまいそうで、想像してしまうと言いだせないのです。

 

ですから、ポンっと「断ればいいじゃない」と言わただけでは、本人はどう言っていいかわからないのです。なので、このようなケースの場合は、「断る」経験が少なくて言えないでいるのですから、何通りもの「断り方」を前もってを知っておくこと、あるいは「伝えるレッスン」を重ねることで、言えるようになるのです。そして、ここからが大事なのですが、実際に断ったからといって、相手との関係は何らかわらない。ということを経験できることです。しかも周り間人たちからは「この人は断る人なんだ」と印象がかわり、今までのように仕事を押し付けられなくなっていくことです。

このように人との関係は、「伝え方」を身につけることで、良い関係にかえることだってできるのです。しかも、自分の気持ち言葉にして伝えたという経験は、断れないでいた時よりも「自己肯定感」が高まるので、これから先、会話の流れの中で、自然に断ることができていくことです。

 

「伝え方」を味方につければ、状況に応じて「引き受ける」「断る」の選択ができるのです。それが、本当の意味でのコミュニケーションなのです。いつもどちらか一方が我慢することで成立する関係は、全くコミュニケーションでがありません。自分の気持ちを伝え合うことで、相手との関係、そして自分との関係も良いものにかわっていくのです。